Arne Vodder



このチークのサイドボードも、以前、SwankySystemsさんからお預かりしたものです。時が止まったままの状態でしたが、見た瞬間にこの家具の持つ力を覚えました。まず、天板の杢理ですが、とてもいい厚突きで、石灰を含んだ模様や、挿しの走り、天板の上に何も飾らなくとも、この景色が充分楽しませてくれます。経年のシミやヤケ、キズも、厚突きのため削り代もあり、ゆっくりと手をかけることで、見事な表情を見せてくれます。また、抽斗の組手、口板の細工。天板の奥の筆返しや留めの仕口、とても、堅実で丈夫なつくりでした。そして、建具を表裏両使いにしてみたりするくずしは流石です。良い木を使い、良い手を掛け、良い眼を掛ければ、家具は、樹齢と同じだけ人を和ませてくれると思います。

チークという杢理を眺めていると、秋野不矩先生の描かれるインドの景色が見えてきます。砂漠やそこに佇む廃墟や寺院、そして仏像。チークには、ふるさとの匂いや記憶が、染み込んでいるのでしょう。また、先生の描かれる砂漠や草原の遠く向こうの真っ青な空に気を泊めて、この木と向き合うようこころしています。

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